導入事例

ザ・コムギ・コミュニティ

ザ・コムギ・コミュニティ
業態
パティスリー・ベーカリー
機器種別
ソリューション・マシン冷機器熱機器製菓・製パン機器ジェラート・ソフトクリーム機器

“原料から出来上がりまで” を
〈見て、触って、食べて、体験・体感する〉。
小麦で繋がるコミュニティ。

モバックショウ2023

食に関わるあらゆるシーンのソリューション企業、エフ・エム・アイの新しいチャレンジとして、製パン・製菓の展示会「モバックショウ」(幕張メッセ、2023年2月28日~3月3日)に、「ザ・コムギ・コミュニティ」をテーマに共同で出展しました。

共同出展企業:江別製粉、沖縄製粉、小麦家、LAB3680

エフ・エム・アイの50年にわたる経験を活かし「共創」することで、どのような価値を創造することができるのか。その価値で社会課題の解決や「食」の新たな可能性を導くことができないか。そのアクションの最初の一歩を「見える化」したのが、このモバックショウです。


ザ・コムギ・コミュニティ

ザ・コムギ・コミュニティのモバックショウでの取り組みでは、 実演を通して、“原料から出来上がりまで”を〈見て、触って、食べて、体験・体感する〉場を創出しました。

江別製粉、沖縄製粉の高品質な原料・小麦粉を使って、高い技術と豊富な知見を持つシェフ、小麦家 吉村学氏、LAB3680 サルヴァトーレ・クオモ氏が、エフ・エム・アイの世界基準の最先端マシンを使用。小麦で繋がる「製粉メーカー」「パン製造・販売業メーカー」「調理機器メーカー」によるコラボレーションが実現し、共創から拡がる、新たな「食」の可能性を示す機会となりました。


デモンストレーション

|01|
UNOX×IRINOX製パン・デモンストレーション
小麦家 吉村学シェフ

展示会期間の4日間、小麦家 吉村学シェフによる製パン特別デモンストレーションを実施しました。パンには江別製粉、沖縄製粉の小麦粉を使用し、各社より小麦粉の特長・魅力が、デモ内容に応じて随時、解説されました。

デモは、最先端テクノロジーマシンの〈UNOX(ウノックス)〉スチームコンベクションオーブンと〈IRINOX(イリノックス)〉ブラストチラー&ショックフリーザーを駆使して、コンパクトなキッチンで展開。小麦の香りや味わいを最大限に引き出した、低温長時間熟成(※)・多加水のパンが、中はモチッと外はパリッと焼き上がる様子が、来場のお客様の間近で披露され、注目を集めました。

※低温長時間熟成製法:長年フランスで採用されてきた伝統製法。酵母の優しい発酵力を使い、低温で時間をかけてじわじわと発酵させていくことで、小麦本来のうまみを引き出していきます。添加物を必要とせず、自然な発酵により、風味の濃い芳醇なパンに仕上がります。

右:小麦家 吉村学シェフ。
低温長時間熟成や多加水という製法にこだわったパン。
江別製粉(左)、沖縄製粉(右)の小麦粉。パンの原料として使用。

スチームコンベクションオーブン
[ウノックス]BAKERTOP

ブラストチラー&ショックフリーザー
[イリノックス]マルチフレッシュネクスト

コメント

小麦家 吉村学シェフ

焼いたパンをすぐに凍結して、リベイク。
革新的なマシンを使いこなすことで、パンがもっとおいしくなる。労働環境改善にもなり、厨房がより便利になる。

今回のデモンストレーションで何よりもすごいのは、オーブンで焼いたパンを、すぐにブラストチラー&ショックフリーザーで急速冷却できるということです。さらに、焼いたパンを凍結して、リベイクして提供するという、一連の流れを多くの方々に体感していただくことができました。

こういう機会はまだ珍しく、自分たちでブラストチラー&ショックフリーザー(急速冷却・冷凍機)を持っていなければ、新しい技術を比べることができません。自分が普段焼いている、おいしいと思っているパンが、もっとおいしくなる、キッチンがより便利になることを知る機会をつくるのは難しいのです。

ブラストチル(急速冷却)の活用
焼いたパンを20分くらいで冷やして粗熱をとって、スライスして試食に出せるなんて、あり得ないですよね! 通常であれば、1時間から1時間半かけて常温で放熱をして、スライスしたらデンプンがだんごになってしまうところを、スパッと切れて皆さんに食べていただける。そして、おいしさ、品質の高さを感じていただける。朝、サンドイッチをつくるために2時間早く出勤しなくてはならないベーカリーもあります。それが20分でとりかかることができれば、労働環境の改善に繋がります。

ショックフリーズ(急速冷凍)の活用
──“サスティナブレッド”
一日の営業で売り切れない商品もある。そういうパンを瞬間凍結して、次の日にリベイクして表情を変えて違うかたちで──僕たちは“サスティナブレッド”と呼ぶのですが、クオリティーを落とさずに、新たに価値を付けて販売することもできる。「これ本当に冷凍なの?」という声も聞こえてきました。ウノックスのオーブンとイリノックスの急速冷却・冷凍機の上下セットは、見た目もスタイリッシュだし、小さな厨房にもすごくおすすめです。

スチームコンベクションオーブンで実現する「暑くない厨房」「プログラム焼成」
ウノックスのスチームコンベクションオーブンで可能になる、暑くない厨房も重要です。また、このオーブンは、プログラムのセッティングをしてしまえば、誰でも同じクオリティーのパンが焼けます。日進月歩で機械は進歩しているので、僕たち職人もそれを使いこなして、さらに、今までになかったものをつくっていくことに挑戦していきたいと思っています。

製パン・デモンストレーションでは、江別製粉の小麦粉「全粒粉」を使用した全粒粉バゲット、「キタノカオリ」を使用したチャパタ、沖縄製粉の小麦粉「エピソレイユ」を使用したバゲットのほか、2社の小麦粉をミックスして使用した、チョコレートパン「ショコラクランベリー」などが提供されました。

コメント

江別製粉 三木貴史さん

吉村シェフに、北海道産「全粒粉(強力)」を100%使用して、全粒粉バゲットを焼いていただきました。当社の全粒粉は外皮の存在感を残しつつも扱いやすい生地作りが可能で、全粒粉を多く配合してもボリュームが出ます。今回の吉村シェフのパンは93%の吸水ですから、生地がベタベタするんじゃないかと予想する方もいらっしゃると思うのですが、外皮が水を吸うので、作業性もよく、まとまりのある生地になっていました。

当社の全粒粉はえぐみが少ないのも特長のひとつです。吉村シェフの全粒粉バゲットは、低温長時間発酵でさらに湯種も配合されていることから、北海道産小麦の持つ甘味がより引き出されており、全粒粉100%とは思えない食べやすいパンで、とても驚きました。

コメント

沖縄製粉 横田雄輔さん

今回、吉村シェフに沖縄製粉の「エピソレイユ」を使用したバゲットを焼いていただきました。「エピソレイユ」は吸水性がよく、生地だれしにくくて扱いやすい点が特長です。しっとりモチモチとした、多加水のパンにも適しています。フランスパンやベーコンエピだけでなく、チャバタ、リュスティック、クロワッサンなど幅広くご使用いただけます。

また、2社の小麦粉のコラボパン「ショコラクランベリー」では、「エル・ハイブレッド」「ゴールデンパン」を使用。香り豊かでたんぱく量が多く、果実の練り込みにも適しているパン用粉です。菓子パンや、バラエティブレッドなどに最適です。


|02|
LAB3680 サルヴァトーレ・クオモ シェフ開発のミックスを使用した
SDGsジェラート

展示会ブースでは、コミュニティを構成しているLAB3680の企画として話題になっている「SDGsジェラート(※)」も、特別に紹介することができました。LAB3680の規格外品果物を使ったジェラートミックスを使って、小型ジェラートフリーザー〈ハイパートロンミニ〉でジェラートを製造。〈UNOX〉で焼成したブリオッシュとのコラボメニューも提供しました。

※SDGsジェラート:原料に規格外の果物を使用しているジェラート。サスティナブルな取り組みをテーマとして活動する、LAB3680が開発。ジェラートの果物の含有率は50%を超えています。

小型ジェラートフリーザー
[ハイパートロンミニ]

国ジェラートショーケース
[ヴェトリーナ]

体験・体感できるエクスペリエンス・センター

コラボレーション企業のキッチン・ラボで、ウノックス、イリノックスのマシンをお客様が体験・体感できるエクスペリエンス・センターが始動しています。


コラボレーション企業

江別製粉|北海道
創業1948年、北海道産小麦のパイオニア。今から30年以上昔、当時評価が低かった国産小麦にあえて北海道産小麦を100%使った製品作りにチャレンジ。生産者や職人、研究機関や食品会社と協力し、質の高い製品作りに成功。北海道産小麦の地位を向上させた立役者です。
「他社がやらないことや新たな価値観を追い求め続ける会社を目指す」を経営ビジョンに、常に新たな取り組みに果敢に挑戦し北海道のみならず、日本全国の繁盛店・著名ユーザーから高い支持を得ている製粉メーカーです。

沖縄製粉|沖縄県
沖縄県内唯一の製粉会社、沖縄県内シェアNo.1。沖縄の素材を活かし、伝統食文化を継承する製品を中心に自社製品開発を展開しています。沖縄そばの専用粉、サーターアンダギーなどの沖縄料理用ミックス粉、パン用粉・菓子用粉など多様なオリジナル製品を家庭用から業務用まで幅広く取り扱い、沖縄県で小麦粉と言えば「沖縄製粉」と言われるほどの地位を確立しています。

小麦家|岐阜県
1982年創業のパン製造・販売業メーカー。志賀勝栄シェフ(シニフィアン・シニフィエ)の元で研鑽を積み、家業である小麦家を事業継承。本格的冷凍パンブランド【MAISON DE FROMENT】(メゾン ド フロマン)を立ち上げる。また繁盛店「Bakery&Café ESPRIT(ベーカリー&カフェ エスプリ)」を運営。低温長時間発酵の美味しく革新的なパンは多くのファンを魅了しています。

LAB3680|大分県
LAB3680のシェフ、サルヴァトーレ・クオモ氏は世界一のピッツア職人。2006年ナポリで行われたピッツァ世界コンペティション「PIZZA FEST」で No.1に輝き、2006年から3年連続で入賞するなど、世界レベルの味を追求してきました。
自身がプロデュースする店舗は日本で80店以上を展開し、2022年には規格外果物を使ってフードロス削減に貢献するジェラートショップ「Gelateria LAB3680 OKUHITA」を大分県日田市にオープン。世界レベルの味を届けるのみにとどまらず、SDGsへの取り組みも積極的に進めています。